ロコモ予防の第一歩は、日常の運動習慣から

 このところロコモという言葉への認識や理解が深まってきました。ロコモ啓発のきっかけになったのは、健康上問題のない状態で日常生活を送れる〝健康寿命〟の延伸が必要となってきたからです。
 50歳以上で膝痛や腰痛など運動器に何らかの支障があり、整形外科にかかっている人は全員、要介護のリスクが高いロコモ予備軍といえるでしょう。また、現時点では運動器に何の症状もない30~40歳代の人でも、週2回以上の運動習慣のない人は、将来的にロコモになる可能性は高いのです。
 では、ロコモにならないためにはどうすればいいのか…。それにはまず、運動習慣を身につけることです。
 運動習慣のない生活を続けていると、運動器の衰えが徐々にみられるようになりますが、早くから運動することが習慣化すれば、ロコモのリスクは低減します。また、ロコモと関連の深い3つの疾患、骨粗しょう症・変形性関節症・変形性脊椎症でも、ロコモになるのを防ぐことができるのです。

日常の動きに+αの負荷で、筋力の低下を防ごう

 ロコモを予防するための運動は、むずかしいものではありません。簡単な運動で筋肉や筋力をアップすることでロコモのリスクを回避することができるのです。運動を意識する中で、筋肉ケアはとても重要です。例えば、筋力の低下で姿勢が悪くなりますが、姿勢をよく保つには筋力が必要で、丸い背中になるのは背筋が弱いという証です。正しい姿勢を保つことは、転倒の防止にもなります。ですから、ウォーキングの際には、よい姿勢を意識するようにすることも大切です。
 以前から、足腰や筋肉を鍛えることの大切さはよくいわれてきました。そのため、「どんどんやればよい」と思うあまり、ケガをしたりして、逆に運動器の故障をきたしてしまう場合もあります。また、痛みがあったとしても、「歩かなければ、歩けなくなってしまう」という強迫観念から運動を休むことができずにいることもあります。
 ロコモを予防する運動は、現在、自立した生活を送れている人ならば、そこに+α(プラスアルファ)の負荷をかけてあげるだけで大丈夫なのです。もし、普段あまり出歩かないのであれば、ウォーキングを習慣づけるだけで十分。日常の生活の中でよく出歩くような人は、ウォーキングでも、心拍数を上げる程度にややきつい速歩にすればロコモ予防の運動になります。そして大切なのは、簡単な運動でも続けることなのです。

骨や筋肉のもとになる食品を、積極的に取り入れよう

 運動に加えて、骨や筋肉のもとになる栄養の摂取も併せて必要になります。
 高齢になるに従い、シンプルな食事を好むようになり、食事の摂取量も少なくなってきます。肉や魚の摂取機会が減ると筋肉をつくるために大切なたんぱく質や骨をつくるために必要なカルシウムが不足しがちになり、筋力や運動器の低下につながります。特にたんぱく質には体内で合成できない必須アミノ酸が含まれていますので、食事から摂取することが不可欠です。
 また、筋力の維持にはビタミンDも重要な働きをすることが分かっています。ビタミンDには、小腸や腎臓でカルシウムとリンの吸収を促進し、それによって血液中のカルシウム濃度を保ち、丈夫な骨をつくる働きがあります。ですから、たんぱく質とともに摂取することで、骨と筋肉の衰えを予防し、ロコモ予防につながると期待されています。
 ロコモを予防する簡単な〝ロコトレ〟も推奨されています。ぜひ無理のない適度な運動と、骨と筋肉の健康に必要な栄養をバランスよく摂取できる食事を心がけて、いつまでも自立した生活を送っていただきたいと思います。

「いきいき通信」vol.87より転載

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