あなたも、いつの間にか足腰が衰えているかも?

 中高年になると、立ったり、歩いたりといった、普段の何気ない動作にちょっとした変化を感じることがあります。こうした変化には、年齢とともに骨や関節、筋肉が少しずつ衰えていくことに加え、交通機関の発達により日々の運動量が減っていることや、生活習慣病対策やダイエット意識の高まりによる粗食化傾向などが、大きく関係しています。この先何も対策をしなければ、足腰の衰えがさらに進行していくかもしれません。あなたは、大丈夫でしょうか?

  • □ 最近、姿勢が悪くなってきたような気がする
  • □ 日頃、ほとんど運動することはない
  • □ 15分くらい続けて歩くと疲れを感じる
  • □ 平坦な道や家の中でつまずくことがある
  • □ 階段を上るのに手すりを使うことがある
  • □ 椅子から立ち上がるのがつらい
  • □ 重い物を持つ・運ぶのが以前より大変に感じる
  • □ 食事は野菜中心で、肉や魚を食べなくなっている
  • □ ダイエットなどで食事制限をしている
  • □ 年齢とともに食べる量が減ってきた

1つでも当てはまる方は、
足腰が衰え始めている恐れがあります!

決して他人事ではない、「ロコモ」のリスク

 あなたは、「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」、「ロコモ」(通称)という言葉をご存じでしょうか? 「ロコモ」とは、“筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板といった運動器のいずれか、もしくは複数に障害が起き、歩行や日常生活に何らかの障害をきたしている状態”のことをいいます。この「ロコモ」の概念は、2007年に日本整形外科学会によって提唱されました。

 「ロコモ」は、はじめのうちは腰痛やひざ痛などの症状が現れることがあります。しかし、放っておくと、やがて骨粗鬆症や変形性関節症、変形性脊椎症といった重篤な病気にまで悪化する可能性が高くなります。さらに進行すると、要介護や寝たきりになったり、そのリスクが高い状態に陥ってしまいます。

 また、現在あまり自覚症状のない方でも、“姿勢が悪くなった”“動くと疲れやすい”といった一見何でもない症状から、徐々に「ロコモ」へと進行することもあるので、油断は禁物です。ある調査によれば、「ロコモ」の人口は、その予備軍も含めると、およそ4700万人に上るともいわれています。「ロコモ」は、あなた自身やご家族にとって、決して他人事ではありません(図1)。

図1:「ロコモ」に関係する要因や症状は、少しずつ進行していきます!

 世の中の「ロコモ」に対する関心の高まりを受け、厚生労働省でも「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」を作成するなど、「ロコモ」対策は国民的な動きへと発展しつつあります。そこでぜひ知っておきたいのが、「健康寿命」という考え方です。「健康寿命」とは、“健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間”のこと。平均寿命から「健康寿命」を引くと、男性は約9年、女性は約12年となっています※。この「健康寿命」を伸ばすためには、いつまでも元気な足腰を保つことが重要です。

※平均寿命(2010年)は、厚生労働省「平成22年完全生命表」、健康寿命(2010年)は、厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」より。

「ロコモ」予防には「筋力アップ」が大切

 これまで「ロコモ」予防として骨の強化は言われてきましたが、筋力のアップを図ることでも、「ロコモ」に関わるさまざまなリスクを減らす効果が期待できます。骨がカラダを支える支柱のような役割をする一方で、筋肉は関節や背骨を動かすとともに、カラダを支えたり、運動時に関節や椎間板にかかるショックを和らげる大切な働きをしています。

 つまり、筋肉の老化・衰えを防ぐことができれば、骨や関節を含む運動器障害、ひいては「ロコモ」を予防することができるのです。(図2)

図2:筋力をアップして、「ロコモ」のさまざまなリスクを軽減

整形外科医 石橋英明先生資料より

筋量は、加齢とともに低下していく

 私たちのカラダは年齢とともに衰えていきますが、骨や筋肉も例外ではありません。筋肉の場合、男女とも20~30代の頃をピークに少しずつ筋量が減っていき、60代になるとさらに減少。80歳までには、ピーク時の30~40%に低下するといわれています(図3)(図4)。

図3:加齢によって減少する筋肉

除脂肪体重=全体重-脂肪重量=筋肉・内臓・骨・血液などの重量
※除脂肪体重の増減は、主に筋肉の変化量を示す。

図4:加齢に伴う筋量の減少(大腿筋肉)

立命館大学スポーツ健康学部 藤田聡教授 提供資

筋肉はタンパク質でできている

 ところで、筋肉はいったい何からできているのでしょうか? 実は、筋肉は水分を除き、そのほとんどがタンパク質でできています。食事で摂り入れたタンパク質は、体内で消化・分解されて20種類のアミノ酸となり、分解されたアミノ酸は新たにタンパク質へと合成され、筋肉や骨、臓器、皮膚といったカラダを構成する組織の成分となります。私たちの体内では、この分解と合成が常に繰り返されています。

 筋肉はおよそ1~2ヵ月で組織の半分が入れ替わるため、タンパク質の分解と合成のバランスをうまく保ち、代謝を高めることで、筋量の維持・アップが可能になります。

タンパク質を摂っていても筋量は低下していく

 ここで、筋肉をつくるのに必要なタンパク質の摂取量と筋量の変化の関係を見てみましょう。アメリカで70代の男女2066人を対象に実施された調査のデータです(図5)。

図5:タンパク質の摂取量が低くなるほど筋量も減少

Health ABC Cohortにおける研究結果
高齢者(70~79才)、2066人を対象にした、3年間の除脂肪体重(筋量)の変化

Houston DK et al.Am J Clin Nutr 2008

 日本人のタンパク質摂取推奨量に近いグループ[1]でも、筋量は減少しています。このことから、高齢者は、食生活でタンパク質を摂取しても筋量は減少していくことがわかります。

 さらに、タンパク質摂取量が低いグループ[5]では、グループ[1]に比べて倍近い筋量の減少が見られました。タンパク質の摂取量が減少すればするほど、筋量も低下していく傾向にあることがわかります。
必須アミノ酸を上手に摂って、効率のよい筋肉ケアを!

必須アミノ酸を上手に摂って、効率のよい筋肉ケアを!

 いつまでも丈夫な足腰を保つためには、筋力アップが欠かせません。日常的な筋力アップの対策としては、主に運動、栄養、そして生活習慣の3つの側面からのアプローチが考えられますが、中でも最近、大きな注目を集めているのが、必須アミノ酸の摂取による栄養面でのケアです。

 筋肉の素になる栄養素はタンパク質です。ところが、食事から摂り入れたタンパク質は、体内で消化・分解後に吸収されるため、実は栄養素としての吸収効率が悪いのです。一方、アミノ酸は消化・分解の必要がないため、体内ですぐに吸収され、カラダへの負担も少なくてすみます。特に、体内ではつくりだせない必須アミノ酸をバランスよく摂取することで、効率のよい筋肉のケアが可能になります(図6)。

図6:アミノ酸は、タンパク質よりも効率よく、スピーディーに体内へ吸収される

カテゴリー一覧

  • 睡眠
  • 足腰
  • 肥満
  • 冷え
  • 風邪
  • 目・脳(こども)
  • 美容
  • 骨
  • 更年期
  • 熱中症
  • 疲労
  • アミノ酸
  • 血糖値