昔と同じ生活をしているのに太ってしまうのはなぜ?

 肥満は、食事によるエネルギー摂取量(カロリー)より、身体の働きや運動で使われるエネルギー消費量が少なくなると、余分なエネルギーがカラダに蓄積されることで生じます。(図1)

図1:肥満の要因

 昔と食事量も運動量もそれ程変わっていないのに太ってしまう原因として、代謝の低下が考えられます。ヒトが1日に消費するエネルギー量は、男女共に10代をピークに年々低下します。特に、ヒトの生命活動を維持するために必要なエネルギーである“基礎代謝” は、50代女性の場合、40代女性に比べて、1日あたり50kcal 低下すると言われています(図2)。これが1年間蓄積されると、約18,000kcal、脂肪に換算すれば、約2.4kg 分、増加することになります。年齢と共に1 年で1~2kgの体重増が起こるのは、自然なカラダの働きなのです。

図2:日本人のエネルギー消費量・基礎代謝の変化(年齢/男女別)

※第6次改訂「日本人の栄養所要量」に基づく、「エネルギー消費量」は「エネルギー所要量」を、基礎代謝量は「エネルギー所要量×0.6」を用いた。

1日50kcal を換算してみると…

図3

食べ物では…

運動量では…

日常生活では…

※カラダ重が50kgの女性の場合

 50kcal のエネルギー量は(図3)の通り、食べ物や運動、日常生活に換算してみると、ほんのわずかな量かもしれません。しかしこの低下分を知らず知らずのうちに積み重ねていくと、10年で10kg体重が増えてしまうなんてことにつながりかねません。

エネルギー代謝とは?

 エネルギー代謝とは、食事から摂取した栄養素を使って、呼吸や体温維持、運動などあらゆるヒトの生命活動に必要なエネルギーを作り出すことです。そして、そのエネルギーのかなりの部分が熱を作りだすことに使われているのです。
 エネルギー代謝の内訳は、何もせずにじっとしていても、生命を維持するために必要な「基礎代謝(約60%)」、食事を消化・吸収する際に生じる「食事誘発性熱産生(約10%)」、歩行やスポーツなど「身体活動による代謝(約30%)」になります。(図4)

図4

無理な食事制限でのダイエットは逆効果

 エネルギー消費量が減るのであれば、食事を減らせばいいのでは?と思ってしまいますが、実は無理な食事制限は逆効果になります。
 例えば3ヵ月で5kgの脂肪を減らそうとすると、計算上では1日の摂取カロリーから、毎日約420kcal を減らす必要があります。代謝量に変化がなければダイエットは成功しますが、実際はそうはなりません。
 食事制限をすると、必要なビタミン・ミネラルや、タンパク質などの栄養素が不足しがちになります。このようにカロリーや栄養が不足した状態でも人は生命活動を維持しなければならないので、カラダは活動量を下げることでエネルギーを節約しようとします。つまりカラダが省エネモードになるわけです。こうして、代謝が低下するため、3ヵ月で5kgやせることにはならないのです。
 代謝が低下するとカラダ全体の活動量が低下するため、物事を考えたり行動する元気までも失い、筋肉量が減少してしまうため、さらに代謝が低下するという悪循環に陥るのです。(図5)

図5:無理な食事制限は代謝も活力も失う悪循環に

理想的なダイエットは「代謝」を高く保って、リバウンドしないカラダをつくること

 ダイエットのために1食抜いたり、食べる量を減らすのはもっともポピュラーな方法ですが、実はダイエットで減量が成功しても1年後には平均60%が、そして5年後には90%の人が元の体重に戻ってしまうというアメリカでの調査結果があります。これがリバウンドです。短期間で痩せようと極端な食事制限をすると、その分代謝も大きく低下します。また、ダイエットの成否にかかわらず「食べたいという欲求を抑えた」反動で、ダイエット後には過食の傾向に陥ります。その結果、ダイエットを何度も試み、そのたびにリバウンドを繰り返し、どんどん太りやすいカラダを作ってしまうという悪循環を引き起こすのです。
 リバウンドのない理想的なダイエットを成功させるには、“「代謝」を高い状態に保ち続けること” が何よりも大切なポイントになります。(図6)

図6

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