~ 日本農芸化学会で発表 ~

京都大学大学院農学研究科の伏木教授を中心としたグループは、‘CH19甘’の2週間の摂取により体重・体脂肪が減少することを確認し、その成果を2004年度日本農芸化学会で発表いたしました。※1)
※1)2006年 日本農芸化学会雑誌Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry Vol. 70 (2006) , No. 12 pp.2824-2835に掲載済み(published) この論文はB.B.B.論文賞(2006年)を受賞しました(その記事はこちらへ)。

▼発表演題

「‘CH19 sweet’の長期摂取が体重変動に与える影響」
発表者 京都大学農学研究科食品生物科学専攻 井上尚彦 ほか

●‘CH19甘’とは
1989年、京都大学大学院農学研究科の矢澤教授により、辛いトウガラシの一種「CH19」より自殖選抜された辛くないトウガラシ。有効成分として「カプシエイト」に代表されるカプシノイドを含む。カプシノイドはカプサイシンと同様、エネルギー消費量増加、体脂肪低減、体重減少作用などの生理機能が報告されています。

<研究の背景>
肥満を予防・改善するには、摂取エネルギー量を減少させる、あるいは消費エネルギーを増加させる必要があります。摂取エネルギーを減少させた場合、リバウンド等の問題が生じるため、消費エネルギーを増加させることが望ましいと考えられています。
これまで京都大学大学院農学研究科の伏木教授らのグループは、‘CH19甘’に含まれる「カプシエイト」がエネルギー消費量増加、体脂肪低減、体重減少などの作用を有することを動物実験で明らかにしてきました。また、同グループではヒトにおいても‘CH19甘’を摂取することによりエネルギー消費量が増加することを明らかにしています。本研究では、ヒトにおいて‘CH19甘’の長期摂取が肥満の予防・改善に有効であるかを調べました。

<実験方法>
健康な男子12名を被験者として、‘CH19甘’を0.4g/kg/日摂取する‘CH19甘’群(n=7、年齢32.29±11.84歳)とControl群(n=5、年齢27.80±7.66歳)の2群に分けて2週間の摂取試験を行いました。体重測定は毎日、(BODPODによる)体脂肪率測定および(CTスキャンによる)腹部脂肪面積の測定は摂取開始前と摂取最終日に行いました。
試験期間中の食事は、CH19甘摂取開始前1週間で各個人において体重の変化が見られない食事量を決定し、その食事を試験終了後まで続けてもらいました。

<結果>
‘CH19甘’群では、‘CH19甘’摂取開始直後より体重が減少し始め、2週間後では約1.5%の体重減少が見られました(図1)。一方、control群では体重の変化が見られませんでした。
また、control群では試験開始前に比べ、体脂肪量(図2)や内臓脂肪面積(図3)が増加したのに対し、‘CH19甘’群では減少しました。

<結論>
‘CH19甘’の摂取により体重および体脂肪が減少することがわかりました。
このことから、‘CH19甘’’摂取は肥満予防あるいは肥満改善に有効であると考えられます。

▼日本農芸化学会とは(同団体ホームページより)
日本農芸化学会は農芸化学の進歩を図り、それを通じて科学、技術、文化の発展に寄与することを目的として、1924年に設立された学術団体です。以来、組織の面でも着実に発展し、1957年には文部省の認可によって社団法人となりました。
 バイオサイエンス・バイオテクノロジーを中心とする多彩な領域の研究者、技術者、学生、団体等によって構成される本学会は、創立70周年を迎えた1994年を契機に、さらに一層の展開を図るべく、国際活動の推進、国際学術集会開催の積極的支援を実現し、実用性と応用性を基盤とする農芸化学の重要性を広く紹介しています。

以下、「カプシエイト」に関連する文献リストを記載します。

・カプシエイト類の同定・合成に関する論文
1) Kobata, K., Todo, T., Yazawa, S., Iwai, K., and Watanabe, T., Novel capsaicinoid-like substances, capsiate and dihydrocapsiate, from the fruits of a nonpungent cultivar, CH-19 Sweet, of pepper (Capsicum annuum L.). J Agric Food Chem, 46, 1695-1697 (1998)
2) Kobata, K., Sutoh, K., Todo, T., Yazawa, S., Iwai, K., and Watanabe, T., Nordihydrocapsiate, a new capsinoid from the fruits of a nonpungent pepper, capsicum annuum. J Nat Prod, 62, 335-336 (1999)
3) Sutoh K, Kobata K, Watanabe T. Stability of capsinoid in various solvents. J Agric Food Chem. 2001 Aug;49(8):4026-30.
4) Kobata, K., Kawaguchi, M., and Watanabe, T., Enzymatic synthesis of a capsinoid by the acylation of vanillyl alcohol with fatty acid derivatives catalyzed by lipases. Biosci Biotechnol Biochem, 66, 319-327 (2002)
5) Sutoh K, Kobata K, Yazawa S, Watanabe T. Capsinoid is biosynthesized from phenylalanine and valine in a non-pungent pepper, Capsicum annuum L. cv. CH-19 sweet. Biosci Biotechnol Biochem. 2006 Jun;70(6):1513-6.

・カプシエイト類の抗肥満効果に関する論文(動物・メカニズム含む)

1) Iida, T., Moriyama, T., Kobata, K., Morita, A., Murayama, N., Hashizume, S., Fushiki, T., Yazawa, S., Watanabe, T., and Tominaga, M., TRPV1 activation and induction of nociceptive response by a non-pungent capsaicin-like compound, capsiate. Neuropharmacology, 44, 958-967 (2003)
2) Ohnuki, K., Haramizu, S., Watanabe, T., Yazawa, S., and Fushiki, T., CH-19 sweet, nonpungent cultivar of red pepper, increased body temperature in mice with vanilloid receptors stimulation by capsiate. J Nutr Sci Vitaminol (Tokyo), 47, 295-298 (2001)
3) Masuda, Y., Haramizu, S., Oki, K., Ohnuki, K., Watanabe, T., Yazawa, S., Kawada, T., Hashizume, S., and Fushiki, T., Upregulation of uncoupling proteins by oral administration of capsiate, a nonpungent capsaicin analog. J Appl Physiol, 95, 2408-2415 (2003)
4) Ohnuki, K., Haramizu, S., Oki, K., Watanabe, T., Yazawa, S., and Fushiki, T., Administration of capsiate, a non-pungent capsaicin analog, promotes energy metabolism and suppresses body fat accumulation in mice. Biosci Biotechnol Biochem, 65, 2735-2740 (2001)

・カプシエイト類の抗肥満効果に関する論文(ヒト)
1) Ohnuki, K., Niwa, S., Maeda, S., Inoue, N., Yazawa, S., and Fushiki, T., CH-19 sweet, a non-pungent cultivar of red pepper, increased body temperature and oxygen consumption in humans. Biosci Biotechnol Biochem, 65, 2033-2036 (2001)

・カプシエイト類のその他の効果に関する論文
1) Tani, Y., Fujioka, T., Sumioka, M., Furuichi, Y., Hamada, H., and Watanabe, T., Effects of capsinoid on serum and liver lipids in hyperlipidemic rats. J Nutr Sci Vitaminol (Tokyo), 50, 351-355 (2004)
2) Haramizu, S., Mizunoya, W., Masuda, Y., Ohnuki, K., Watanabe, T., Yazawa, S., and Fushiki, T.,? Capsiate, a nonpungent capsaicin analog, increases endurance swimming capacity of mice by stimulation of vanilloid receptors. Biosci Biotechnol Biochem, 70, 774-781 (2006)

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