なぜ、風邪やインフルエンザにかかるの?

風邪もインフルエンザもウイルスによる病気!

 冬にかかりやすい風邪やインフルエンザ。
どちらもウイルスが引き起こす病気ですが、風邪とインフルエンザでは原因となるウイルスの種類が異なり、症状にも違いがあります。
 風邪の主な症状は発熱、鼻水、のどの痛み、咳、倦怠感などです。
 一方、インフルエンザの原因となるのはインフルエンザウイルスです。インフルエンザウイルスにはA型やB型、A型の中にもソ連型や香港型などのタイプがあり、毎年流行するタイプが異なります。インフルエンザは、急に38~40度の高熱が出るのが特徴で、お年寄りでは肺炎などを引き起こすことも多く、症状が重くなると死にいたることもあります。

免疫力って何? 免疫力が低下すると、
風邪・インフルエンザにかかりやすくなるの?

 特に、冬場は屋外と屋内の寒暖の差が激しく、空気が乾燥するため、喉や鼻の粘膜も乾燥しやすく、ウイルスが活性化する“低温乾燥” と呼ばれる条件が揃い、私たちのカラダのウイルスや細菌に対する戦う力・抵抗する力(免疫力)が弱まります。そのため免疫力の低下が原因となって、風邪やインフルエンザにかかりやすくなります。
 また、会社や学校など締め切った場所に沢山人が集まりやすく、風邪やインフルエンザにかかった1人のヒトから周囲の沢山のヒトにうつりやすい環境となります。
 特に、かかってからでは遅いインフルエンザは、受験シーズンや年末年始などの大切な時期(12月~ 3月)に猛威を奮うため、予防が重要です。

現代人に忍び寄る免疫力低下「現代型免疫低下」

 24時間社会と呼ばれる現代社会は、1日中どこかで活動が維持され、不規則な生活に陥りやすく、ストレスも多いのが特徴です。さらにきれいで衛生的な生活環境が整っていますから、病原体に侵される機会は少なくなりました。(図1)

図1

こうした環境の変化に伴って、現代人の免疫力は昔のヒトに比べて低下していると言われており、高齢でも特殊な病気でもないのに免疫力が低下したヒトが増えています。(図2)こうしたタイプの免疫力の低下は「現代型免疫低下」と呼ばれています。

図2:「現代型免疫低下」のイメージ

図3

免疫力は20代をピークに年齢とともに低下し50代ではおよそ半分ほどに落ち込みます。現代人はそれに加え、生活環境の変化によって年齢を問わず免疫力が低下しているといわれています。(図3)

あなたも現代型免疫低下かも?

 現代型免疫低下の状態になってしまうと、風邪やインフルエンザにかかりやすくなり、かかったときにも症状が重くなって、ここぞという重要なときに寝こんでしまい、本来の能力を発揮できない可能性があります。しかし、現代型免疫低下はなかなか自覚できないのも事実です。

あなたは、以下のような症状がありませんか? もしかすると、「現代型免疫低下」の症状かもしれません。

  • ・しっかり寝ても、なかなか疲れがとれない
  • ・すぐに口内炎やヘルペスができる
  • ・どことなくシャキッとしない
  • ・風邪をひくとなかなか治らない
  • ・花粉症やアトピーの症状がひどくなった
  • ・重要な会議や試験当日など、いざ!という時(直前)に体調を崩した
  • ・季節の変わり目など、寒暖の差が激しい時に調子を崩した
  • ・久しぶりに激しい運動をした後に、風邪をひいた

 現代型免疫低下になっていないか、チェックシートを使って免疫状態をチェックしてみましょう。

現代型免疫低下 リスクチェック

  • □ プレッシャーを感じる
  • □ ストレスを感じている
  • □ 集中力が続かない
  • □ やる気がでない
  • □ 食欲がない
  • □ 楽しいと感じることが少ない
  • □ 最近笑っていない
  • □ 睡眠不足が続いている
  • □ 運動不足を感じる
  • □ 野菜をあまり食べない
  • □ 都会に住んでいる
  • □ 食べるスピードが早い
  • □ 体温が低い(36.5 度以下)
  • □ 抗菌グッズをよく利用する
  • □ 発酵食品をあまり食べない
  • □ 1 日中パソコンに向かって仕事をしている
チェック数 判定
0~2個 今のところ免疫力対策は問題ないようです。これからもこの生活を続けましょう。
3~4個 免疫力が低下気味かもしれません。まずはストレスを溜めないことを心がけましょう。
5個以上 「現代型免疫低下」状態の可能性があります。免疫力アップのポイントを実践してみましょう。

 こうした症状に心当たりがある場合には、免疫力が低下している可能性がありますから、免疫力をアップさせるための対策が必要です。

風邪・インフルエンザ予防のポイント

 風邪やインフルエンザにかからないための大原則は、バランスの良い食事と十分な睡眠をとり、疲れやストレスを溜めないことです。また、うがいや手洗い、マスクにより外からの病原体ウイルスの侵入を防ぐことも大切です。
 しかし、これらの対策によって、病原体ウイルスがカラダに侵入するのをある程度減らすことはできても、完全に防ぐことはできません。冬の風邪やインフルエンザの対策には、たとえ病原体に接触しても感染させない、感染しても病状を悪化させないように、免疫力を高めておくことがとても重要です。

病原体ウイルスや病気から身を守る、戦う力!それが免疫力!

 目で見ることはできませんが、私たちの周りにはウイルスや細菌、カビなどの病原体がたくさん漂っています。これらの病原体は、私たちのカラダのなかに入り込もうと常に攻撃を仕掛けてきます。そして、私たちは全く意識していませんが、私たちのカラダは、その攻撃を24時間体制で防ぎ、ウイルスと戦っているのです。このカラダの外からの攻撃に対抗する抵抗力や防御力、それが「免疫力」です。もし私たちに「免疫力」がなかったら、すぐに病気にかかってしまい、1日たりとも健康なカラダではいられません。

免疫力には「自然免疫」と「獲得免疫」がある

 私たちのカラダには「自然免疫」と「獲得免疫」の2つの免疫力があります。
「自然免疫」は、体内に入ってきた病原菌やウイルスに対して、まず戦う常設の「前線部隊」です。カラダのなかに病原体が入り込んでこないか24時間休むことなくパトロールし、病原体(敵)を見つけたら直ちに攻撃を仕掛けます。
また、体内に病原体ウイルスが入ったことを、警報を鳴らして「獲得免疫」に知らせます。
 もう一つの免疫力「獲得免疫」では、数々の病原体(敵)との戦いを積み重ね、経験値を高めていくタイプの免疫力です。「獲得免疫」の防御力は強力ですが、病原体に対して迎撃態勢を整えるまでに少し時間がかかります。そのため、間に合わず発症してしまい、治るまでに時間がかかることもあります。
 そのため、冬に猛威を奮うインフルエンザや風邪の対策には、普段から「自然免疫」を高めておくことが重要なカギ!といえます。「自然免疫」を高めておくと、警報を受けた獲得免疫も素早く戦え、免疫力全体が高まります。
 私たちのカラダのなかで、この「自然免疫」と「獲得免疫」を実際に担当しているのは、免疫細胞と呼ばれる細胞たちです。まずは代表的な免疫細胞のメンバーを紹介しておきましょう。(図4)

図4

自然免疫を担当する代表的な細胞たち

これらの細胞たちは、24時間休むことなく、カラダのなかをパトロールしていることから、自然免疫は常設の前線部隊といえます。

獲得免疫を担当する代表的な細胞たち

獲得免疫は緊急時の増援部隊といえます。

免疫力は年を取ると低下する、だから日頃から自然免疫力を高めておく!

 風邪やインフルエンザの原因となるウイルスの攻撃から身を守るためには「自然免疫」を活発に保つこと、つまり「自然免疫力」を高めておくことが重要です。そして、自然免疫力を調節しているのが「グルタチオン」と呼ばれる物質です。マクロファージ等の免疫細胞にグルタチオン量が十分に存在すると、私たちの自然免疫力は活発に働き、風邪やインフルエンザにかかりにくく、グルタチオン量が少なくなるとこれらの病気にかかりやすくなります。
 免疫細胞のなかのグルタチオン量は、若い頃は多いのですが、残念なことにその後は年を重ねるたびに減ってしまうことが分かっています。つまり、加齢とともに自然免疫力は低下してしまうのです。(図5)そのため40歳を過ぎると風邪をひきやすくなり、お年寄りでは免疫力を高く保つために、対策が必要になります。

図5:加齢に伴い免疫細胞を活発にするグルタチオン量は減少する

Hernanz, A et al. Life Sci 67(11), 1317-1324 (2000)

 ところが、最近では免疫力の低下はお年寄りだけの問題ではなく、「現代型免疫低下」によって、若い人でも免疫力が低下しているヒトが増えています。また、激しい運動の後など、一時的に免疫力が低下してしまうこともあります。
 普段から継続的な免疫力対策をすることで、風邪やインフルエンザにかかりにくいカラダをつくりましょう。

カテゴリー一覧

  • 睡眠
  • 足腰
  • 肥満
  • 冷え
  • 風邪
  • 目・脳(こども)
  • 美容
  • 骨
  • 更年期
  • 熱中症
  • 疲労
  • アミノ酸
  • 血糖値