−2008年日本臨床スポーツ医学会で発表−

順天堂大学スポーツ健康科学部の村上茂樹客員准教授を中心としたグループは、シスチン/テアニン含有食品が男子大学駅伝選手における夏期強化合宿時の高強度持久運動に伴う炎症反応増加や免疫能低下を抑制することを確認いたしました。その研究成果を2008年日本臨床スポーツ医学会(2008年11月1日−2日、幕張)で発表しました。

発表骨子は、以下のとおりです。

▼発表演題
2008年日本臨床スポーツ医学会
「シスチン・テアニンサプリメント」の経口摂取による陸上競技・長距離駅伝夏期強化合宿時の免疫状態への影響
村上 茂樹1), 鯉川 なつえ1), 仲村 明1), 青木 和浩1), 吉儀 宏1), 澤木 啓祐1), 大谷 勝2)

1) 順天堂大学スポーツ健康科学部, 2) 東京大学大学院新領域創成科学研究科

<研究の背景および概要>
スポーツ競技選手では、強化合宿などの高強度持久運動の負荷に伴って、炎症※1反応の増加や免疫機能の低下、感染症リスクの増大、更には、疲労が抜けず回復が進まずに体調不良が持続するオーバートレーニング症候群などの問題点が存在します。今回の研究においては、シスチン/テアニン含有食品がスポーツ競技選手の強化合宿時における高強度持久運動の負荷に伴う炎症反応増加や免疫能低下を抑制することを明らかにしました。

※1 炎症とは、
感染,外傷や熱傷など,生体が外部から何らかの刺激を受けた際に免疫応答が働き,その結果生体に現れる生理的な応答反応
※2 抗体とは、
免疫担当細胞(Bリンパ球)が産生する糖タンパク質で,非自己であるタンパク質(主に細菌やウイルスなど)を認識して結合する働きをもつ.この結合した抗体をマクロファージなどの貪食細胞が認識して貪食し,体内から除去するように働く

<実験方法>
順天堂大学陸上競技部に所属し箱根駅伝出場予定の男子駅伝選手を対象とし、年齢と5,000m走の自己ベスト記録を考慮してシスチン/テアニン含有食品摂取群(n = 8)と対照食品摂取群(n = 7)の2群に分けて、各群において当該食品を合宿前10日間摂取しました。合宿開始2日前と11日間の合宿最終日に採血を行い、被験食品摂取による臨床症状の変化の観察および安全性の評価を行いました。また,合宿期間中,アンケート形式で健康状態調査を実施しました。

<試験結果>
血中の炎症指標では、好中球※3数・高感度CRP※4値ともにプラセボ群では合宿前と比較して合宿後有意に上昇しているのに対し、シスチン/テアニン群では有意な上昇が観察されませんでした(図1)。一方,血中の免疫指標では、リンパ球※5数はプラセボ群において合宿前と比較して合宿後に減少傾向を示しましたが、シスチン/テアニン群では減少は観察されませんでした(図2)。更に、健康状態調査アンケートにより合宿中における風邪症状の発症率について解析したところ、統計的に有意ではありませんが、プラセボ群では7例中2例、28.6%の発症が観察されたのに対して、シスチン/テアニン群では8例中0例、0%でした。この結果は、上記臨床検査結果と矛盾しない結果であると考えられました。

※4 好中球とは、
白血球の一種で,強い殺菌・貪食能をもち,細菌やウイルスなど体内の異物を除去する働きがある。その際に炎症反応を惹起する。
※5 高感度CRPとは、
高感度な測定系にて解析したC反応性タンパク(C-reactive protein)のことで,このタンパクは体内で炎症反応が起きているときに血中に現れる。この産生量は炎症反応の強さに相関する。
※6 リンパ球とは、
白血球の一種で,抗体を産生する液性免疫を担うBリンパ球と細胞自身で異物を攻撃する細胞性免疫を担うTリンパ球がある。

<結論>
シスチン/テアニン含有食品の摂取は、スポーツ競技選手の強化合宿時における強度な運動負荷に伴う炎症反応の上昇を抑制し、さらに免疫機能の低下も抑えて、感染症の発症防止に寄与する可能性が示唆されました。

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