安眠を妨害するのは、日本特有の湿度の高さ

 夏の夜は〝どうも眠れない〟とか〝ぐっすり眠った気がしない〟という方が多いようですね。それは、日本特有の気候が睡眠のメカニズムを邪魔するためだと考えられます。
 ヒトは高い体温が低くなるときに眠くなるようにできています。気温が高い国でも、暑くて汗をかけば、汗が乾くときに気化熱を奪うため、高くなった体温が低くなるのです。暑い夏でも、よく眠れるようにシャワーではなく、湯船にゆっくりつかったほうがよいといわれるのも、体を温めて汗をかき、気化熱によって高くなった体温を下げ、眠くなるようにするためなのです。
 ところが日本は室内の湿度が80%という夜もあり、高温多湿ではせっかくかいた汗も水蒸気にならないため気化熱を利用できないのです。これではいつまでも体温が高いままで、よく眠れるはずがありません。

夏に冷たい食事。それが睡眠の妨げに…

 また、食事面でもよく眠れない環境を作り出していることもあります。
 夏は食欲が衰えがちですから、どうしても冷たいもの・さっぱりしたものを選びがちですが、夕方から夜にかけては体温を上げることが眠りにつくためには必要です。よって、暑いものや辛いものを食べるほうがいいのです。涼しい部屋で、冷たいものを食べるのはダメなのです。
 仕事をしている方は、例えば昼にカレーを食べたりすると、その後、眠気に襲われたりしますよね。それは、熱く、さらに刺激のあるもので上がった体温が下がるためなのです。午後の時間にしっかり活動するためには、冷たいせいろそば程度が一番いいのです。
 ですから、夏でも夕食には鍋ものを食べたり、発汗を促す唐辛子等の香辛料が利いた料理を食事に取り入れたりする等、体温を上げる食生活を心がけるようにすることも、安眠を得るためには大切なことです。

部屋の湿度を逃して、入眠に適した環境を

 さて、せっかく体温を上げても、部屋がむしむしと暑かったら体温がいつまでも下がらず、眠気は起こりません。
 部屋の中にこもった湿気を逃すための有効な手段は、窓を開けて、部屋の中に気流を作ってあげることです。しかしながら、現代社会では防犯上の問題等もあり、大きくを窓を開け放しのままにしておくこともむずかしくなっています。そんな時は、部屋のドアを開けて扇風機を回し、こもった熱気や湿気を廊下側に逃してあげれば同じような効果を得ることができます。
 よい睡眠を得ることができるかどうかは、眠りについてから最初の3時間が大切ですので、寝室の湿度管理には気をつけたいものです。

規則正しい生活。これが安眠を得る基本

 規則正しい生活を送ることは当たり前のようですが、実はこれがなかなかできていません。特に仕事をしている方は、休日にゆっくり休もうと思うあまり、起床時間がどうしても遅くなりがちです。日曜日に昼前まで寝ていれば、夜中の2時、3時まで眠くなりません。そうすればたった3、4時間の睡眠で出社しなければならず、月曜日の活動に影響を及ぼすことになります。日曜日でも朝8時に起きて、外に出かける等の活動をすれば、自然に夜10時、11時には眠くなります。そうすれば6~8時間の睡眠を得ることができますので、すっきりと目覚め、1週間の始まりが充実します。
 規則正しい生活は日中の活動性を高めますが、週の初めにつまずいてしまうと生活の悪循環を生み出してしまうことになります。休日こそ不規則になりがちな日常生活をリセットするチャンスですから、活動的な1日にしたいものです。
 眠ることは、食べることと同じくらい大切なことです。健康な毎日を過ごすためにも、日々のしっかりした睡眠を心がけてください。

「いきいき通信」vol.85より転載

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