快眠セラピスト/睡眠環境プランナー
三橋 美穂先生

寝具メーカーの研究開発部長を経て独立。全国での講演や執筆、個人相談のほか、ベッドメーカーのコンサルティング、ホテルのコーディネイト、快眠グッズのプロデュースなど、睡眠関連事業にも広く携わる。眠りを多角的にとらえたアドバイスには定評があり、睡眠スペシャリストとしてテレビや雑誌等、多方面で活躍中。

本当にリラックスできる睡眠に大切なマットレスと枕の適切な関係

 快眠を得るために一番大切なことは、〝リラックスできること〟です。睡眠時間は十分なのに、何となく寝足りない感じがある人は、リラックスできていないせいかもしれません。その一因には、寝具が体に合っていないことが考えられます。
 寝具、特にマットレス(ふとん)の固さと枕の高さは重要です。この2つは連動していて、マットレスの固さによって、枕の高さは変わってくるのです。これは基本的なことで、この関係が良くないと、睡眠の質は低下してしまいます。
 これは人それぞれの体型にも関係してきます。スリムな人は柔らかめのマットレスに低めの枕、ガッチリした人は硬めのマットレスに高めの枕という組み合わせが一般的です。要は、体が沈み過ぎず、首をまっすぐ保てているかどうかがポイント。仰向けに寝た時に、立っている時の自然な姿勢になっているかどうかです。そして、寝ている間も呼吸が自然にできることが大切です。
 特に体全体を支えるマットレスは、寝具の中でも重要なアイテムです。加齢で体が硬くなったりもしますので、体型に合ったものを選ぶようにしましょう。また、マットレスには全身の重みがかかるので、徐々にクッション性がなくなり、お尻の部位がへたってきます。7~10年を目安に点検しましょう。

背中・お尻・かかとが圧迫される硬すぎるマットレス

お尻が沈む柔らかすぎるマットレス

自分に合った枕は意外に低い。高い枕が快眠の妨げに…

 寝具の中で、最も選び方を間違っていると思われるのは枕です。本当に自分に合う枕を選んでいる人は、1割いるかいないか…というほど少ないのです。
 日本はもともと、箱枕を使う等、昔は枕が高かったという傾向があります。そのためか、多くの場合、今使っている枕は、その人の体型からすると〝高すぎる〟のです。実は、体にぴったり合う枕というのは、思いのほか低いものです。
 枕が高すぎると、喉元が詰まって、自然な呼吸ができなくなります。また、首のシワや二重あご、肩こり、いびき等の原因にもなります。首にくっきりとしたシワがある人は、枕が高すぎると思ってください。ストレスが強い人は高い枕を好む傾向にあり、猫背の人は首すじが伸びるので高い枕が気持ち良く感じるようですが、首まわりが緊張した状態で1晩を過ごすのでは、体はリラックスできません。
 かといって、枕をしない…というのもおすすめできません。首の前側は確かに伸びますが、後頭部が下がることで舌根が奥まって、自然な呼吸の妨げになります。また、寝がえりで横を向くと首すじがねじれてしまいます。
 もっとぐっすり眠りたいという方は、自分が思っている以上に低めの枕を一度試してみましょう。

枕が合っていない人

枕が合っている人

枕選びは慎重に。なるべく日常にあった状態で選ぶ心がけを

 体に合った枕のポイントとしては、【1】仰向けで楽に呼吸ができ、首にシワが寄らない、【2】横向きで肩に圧迫感がない、【3】寝返りしやすい、【4】寝た瞬間に体の力が抜けて気持ちが良い等が挙げられます。
 枕も今は自分の体型に合わせて、ウレタンシートで高さが微調整できるような構造になっていたり、エラストマーパイプ等、中の素材も進化してきています。また、寝具売り場では、寝具アドバイザーが常駐しているところもあり、自分に合った枕選びもしやすくなってきました。
 でも、実際に試して選んだはずなのに、自宅で使ってみると、何となくしっくりこないことがあります。その一因には、試した時に寝たマットレスの固さが、使っているものと違うことが挙げられます。ですので、できるだけ使っているものに近い固さのマットレスと一緒に試してみることをおすすめします。また、特に冬等は、厚着をしたままだったり、タートルネック等を着用していたりすると、体の厚みが変わり、首まわりの感触も確かめにくくなります。本当に合っているかどうかを確かめるには、寝ている時の服装になるべく近くするために、厚手のものは脱ぎ、首元がすっきりした服装で試してみるようにしましょう。

幸せを感じる寝具こそ、快眠をもたらす第一歩に…

 その他の寝具では、上から掛けるものがあります。これも、重いものが好きな人もいれば、軽いものが好きな人がいる等、好みがあります。ただ、上から掛けるものが重すぎると、寝がえりがうちにくくなったり、寝がえりをした際に体と寝具の間にすき間が空いたりします。軽いもののほうが、体との密着が良いので、冬ならば羽毛布団の上にマイクロファイバーの毛布、夏ならばタオルケットよりも、ガーゼ素材のガーゼケットがおすすめです。ガーゼケットは、軽くて蒸れにくく、適度な保温性があり、洗濯しても乾きやすいのが特徴です。
 また、敷く寝具の見直しも大切です。気温が高くなってくるこれからの季節、特に夏には背中が蒸れて暑くならないよう、通気性が高く、熱や湿気がこもらない3D立体構造メッシュの敷きパッドがおすすめです。天然素材なら麻やい草素材等、涼感のあるものは、触れた時に心地よく感じます。麻パッドの場合、詰め物がポリエステル綿だと蒸れやすいので、中身も麻綿の製品を選びましょう。夏以外の季節なら、肌触りが良い、やわらかなものが触れた時に気持ち良さを感じさせてくれます。
 人それぞれに好みはありますが、寝具は、そこに横になった時に、〝幸せ〟を感じさせてくれるものが一番ふさわしいものだといえます。幸せを感じると、日中の緊張感がとけて、眠りやすくなるのです。
 4月というスタートの時季に、これまでの寝具を見直して、快眠生活もスタートさせてみませんか。

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