−第31回日本睡眠学会で発表−

味の素(株)健康基盤研究所(所長:高橋迪雄、神奈川県川崎市川崎区)は、グリシンの睡眠改善効果について研究を進め、グリシンがラットの休息期において 睡眠量を増加する作用があることを確認し、第31回日本睡眠学会(2006.6.30~7.1、滋賀県)で発表いたしました。

発表骨子は以下のとおりです。

▼発表演題
「グリシンは睡眠の質を改善する~ラットにおける睡眠覚醒周期解析~」
発表者 味の素健康基盤研究所 河合 信宏,小野 郁,坂内 慎,森 将人, 高橋 迪雄

●グリシンとは
自然界に存在するアミノ酸で、生体内で合成することができる非必須アミノ酸のひとつです。ホタテ、えびなど天然の食品にも多く含まれています。タンパク質の構成成分となっていることはもちろんですが、神経伝達物質のひとつとしても知られています。

<研究の背景>
我々はこれまでに、グリシンが睡眠に軽度の問題を有するヒトの主観的な睡眠の質を改善することを見出しています。本研究では、高等生物の睡眠に対してのグリシンの影響を検討するために、客観的な睡眠指標を得ることのできる脳波を測定項目として、ラットを用いてグリシンの作用を客観的に評価しました。

<実験方法>
脳波測定装置埋込手術を施した成熟雄ラットを用い、暗期もしくは明期にグリシン水溶液(0.5g, 1.0g, 2.0g/kg)または溶媒(水)を経口投与することで脳波に及ぼす影響を検討しました。得られた脳波から20秒ごとに睡眠ステージを分類し(覚醒期、ノンレム睡眠期、レム睡眠期)、一定時間中の覚醒または睡眠時間を算出して解析しました。

<結果>
ラットが本来休息する明期では、グリシン投与群は水投与群と比較して覚醒時間が有意に減少し、ノンレム睡眠時間、レム睡眠時間が有意に増加しました(覚醒時間:134.8±3.4 → 88.7±2.4分/6時間、NREM:201.2±3.3 → 236.6±2.3分/6時間、REM: 24.0±1.0 → 34.6±0.9分/6時間、図1)。一方、ラットが活動する時期である暗期では有意な変化は認められませんでした(図2)。

<結論>
以上の結果より、動物モデルでグリシンによる睡眠時間の有意な増加を確認し、この作用が休息期に限られることから、グリシンが休息の際に睡眠改善効果を持つ可能性が示唆されました。

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