−第61回日本栄養・食糧学会に報告 −

鎌倉女子大学家政学部管理栄養学科の山ヵ俊介准教授を中心としたグループは、アミノ酸“グリシン”を就寝前に摂取することより、(1)睡眠の質の向上、疲 労感の低減が起床時に感じられる、(2)頬部の肌における水分量が維持されることを確認いたしました。その研究成果を第61回日本栄養・食糧学会 (2007年5月20日、京都)で発表いたしました。

●グリシンとは
自然界に存在するアミノ酸で、生体内で合成することができる非必須アミノ酸のひとつです。ホタテ、えびなど天然の食品にも多く含まれています。タンパク質 の構成成分となっていることはもちろんですが、神経伝達物質のひとつとしても知られています。最近、グリシンが睡眠の質の向上に影響することが明らかに なってきています。

発表骨子は、以下の通りです。

▼発表演題
「グリシン食品摂取による睡眠の質・肌質への影響の検討」
発表者 山ヵ俊介、山口真由、小林千都代、永島麻美、松岡美樹、横山香織(以上、鎌倉女子大学家政学部管理栄養学科)、
      安藤博文(鎌倉女子短期大学)

<研究の背景>
大学における食品機能性研究の一環として、学生への負荷が少なく、容易に体感できる機能を有し、商品としても入手可能な成分として「グリシン」を取り上げ、睡眠との関係についての検討を行いました。

<方法>
今回の研究では、睡眠に影響を及ぼす年齢、性別、生活パターンがほぼ均質な女子大学生、女子短期大学生120名を対象として、無作為に2群に分け、グリシ ン摂取の有無(摂取期4日間、非摂取期4日間)における目覚め感(起床時の主観的な睡眠感)と翌朝の肌質(頬における角質水分量、水分蒸散量)について、 クロスオーバー法による調査を実施しました。主観的な睡眠感への効果はセントマリー病院睡眠調査票及びSAM(Spaceaeromedicine) 疲労度チェックリストを用いました。前者は、睡眠深度、中途覚醒度、熟眠感、睡眠の満足感、起床時の爽快感、就眠困難度、早期覚醒の有無などについて、例 えば 「昨夜はどれくらいよく眠れましたか?」という項目については、「1大変悪かった、 2悪かった、・・・5よかった、6大変よかった」のような選択肢から 数字をひとつ選ぶことで回答し、後者は「とてもいきいきしている」「非常に疲れている」等の10項目について、「1非常にそう思う、2そう思う、3そうは 思わない」という選択肢からひとつの数字を選ぶことで回答するものです。

<結果>
1. セントマリー病院睡眠質問票により、グリシン食品摂取期において睡眠の質の向上が認められました。 さらに、ピッツバーグ睡眠質問票総合得点(PSQIG)による睡眠の質の低い試験参加者(22名)を用いた場合は、その差は大きくなりました。

2. SAM疲労度チェックリストにより、グリシン食品摂取期において起床時の疲労感の低減が認められました。
3. 自覚症状チェックリストにより、グリシン食品摂取期において起床時の自覚症状の改善が認められました。
4. 角質水分含有量および経表皮水分蒸散量測定により、グリシン食品摂取期において皮膚バリアー機能の改善が認められました。

<結論>
就寝時に摂取したグリシン3gが睡眠の質を向上させるとともに、翌朝の疲労度を改善する可能性が、女子学生を対象にした大規模(120名)な試験においても見いだされました。さらに、肌質に関与する肌の水分を維持させる可能性も見出されました。

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