大江隆史先生

医学博士/NTT東日本関東病院手術部長。1985年3月、東京大学医学部医学科卒業後、東京大学整形外科医局入局。医局の関連病院で研修後、1992年7月、東京大学医学部附属病院文部教官助手。1994年7月東京大学医学部附属病院 整形外科医局長。1995年7月、医療法人社団蛍水会名戸ヶ谷病院整形外科部長。2004年4月より東京大学医学部整形外科非常勤講師。後進の指導と臨床に携わりながら、患者にロコモティブシンドロームについての啓蒙を続けている。2010年ロコモ チャレンジ!推進協議会の設立とともに副委員長、2014年より委員長。

聞いたことがある人は50%以下。まだまだ低い〝ロコモ〟の認知度。

 〝ロコモ〟(ロコモティブシンドローム=運動器症候群)という言葉が社会に出て5年以上が経過しました。2010年にロコモ予防の啓発が始まり、2013年には厚生労働省が掲げる〝健康日本21〟でもロコモ予防が重要視されるようになり、その10年後には〝ロコモ〟への認知度80%を目指して、さまざまな啓蒙活動が繰り広げられています。しかしながら、2016年3月の調査結果では、〝ロコモ〟という言葉を聞いたことがあるという人は47.1%程度で、〝ロコモ〟の意味まで知っているという人は少ないというのが現状です。
 年代別にみれば、女性の70歳以上では70%以上、女性の60代・男性の70歳以上で60%程度と、実際に運動器の働きに不具合を感じる世代では認知度が高まっていますが、青壮年層ではまだまだ低く、20代女性で30%程度、30代女性・40代男性35%程度に留まっています。これはまだ、〝ロコモ〟で要介護へのリスクが高まるということに現実味がないためかと思われます。
 著名な高齢化社会である日本では、今後、社会の高齢化によってさまざまな問題を抱えることが懸念されています。その中で、年齢問わず〝ロコモ〟への認知度を高め、ロコモ予防を意識することは、とても重要な課題のひとつなのです。

自分自身の〝ロコモ〟度合を知ることができる〝ロコモ度テスト〟

 〝ロコモ〟を広く認知させるために日本整形外科学会が推進しているのが、年齢に関係ない値を出す〝ロコモ度テスト〟(*)です。
 これは、下肢筋力を調べるための〝立ち上がりテスト〟、歩幅を調べるための〝2ステップテスト〟、そして身体の状態・生活状況を調べるための〝ロコモ25〟という3つのテストで成り立っているものです。
 〝立ち上がりテスト〟では、片脚または両脚で10・20・30・40cmの高さの台から立ち上がれるかを調べ、垂直方向への移動機能を測るものです。〝2ステップテスト〟では、大股で2歩歩いた距離を身長で割った値を算出し、その数値で水平方向への移動機能をみるものです。〝ロコモ25〟では、運動器に関する25項目の質問票に答え、その結果を身体状態や生活状態の自覚的指標にするものです。
 この簡単なテストによって年齢に関係なく、自身の〝ロコモ度〟を知ることができ、予防に役立てることができるのです。

〝ロコモ度〟テストにチャレンジしてみよう!

https://locomo-joa.jp/check/test/

大股で2歩歩いた距離を測ってみましょう

もし、40cmの高さから片脚で立ち上がれなければ〝ロコモ度1〟

 年代に関係なく、その人の生活習慣や運動習慣によって、ロコモ予備軍は多く潜んでいる可能性があります。こうした状況の中で、介護が身近でない世代に対して〝ロコモ〟啓蒙を推進していくために始まった試みが〝ロコモチャレンジ!推進協議会〟による「Try 40cm!(トライフォーティ―)」キャンペーンです。これは、身近にある椅子等、40cm程度の高さのものから片脚で立ち上がってみようというものです。
 もし、そこから片脚で立ち上がることができなければ、ロコモの始まりである〝ロコモ度1〟にあたります。いつでも、どこでも気軽にできる40cmからの〝立ち上がりテスト〟だけでも、自分自身の運動器の衰えを自覚することができるのです。早くから運動器の状態を知ることによって、将来的な〝ロコモ〟による介護のリスクを軽減することが可能になります。
 ぜひあなたも今すぐ「Try 40cm!」にチャレンジしてみてください。

椅子から片脚で立ち上がれますか?

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